こよみちゃんこよみちゃんの旬便り
#さば

脂がのり始める、これからが本番の一尾

2026.10.23読了時間:約2分
さば

スーパーの鮮魚コーナーをのぞくと、丸々とした一尾がちらほら見えるようになってきました。さばです。

今年は、入荷そのものが少なめで、値段もやや高めに感じられる秋のようです。とはいえ、これからが本番。これから11月、12月と寒さが深まるにつれて、脂はもっと乗ってきます。今はまだ、その入り口に立ったところなんですよ。

ここだけの豆知識

「鯖を読む」の鯖は、実はこの魚のことなんです

数をごまかすという意味で使うこの言葉、語源には諸説あるのですが、有力とされているのが市場での話です。鯖は大量に捕れるが鮮度の低下も早く、現在のような冷凍技術を持ちえなかった昔の漁師や魚屋は、時間を惜しんで鯖の数量を目分量でざっと計測して、傷む前に急いで売りさばいたのだそうです。その結果、数がいい加減になりがちで、「自称でしかないいい加減な数値」という意味に転じていったと言われています。

急いで数を数えていた昔の市場の様子を想像すると、ちょっと人間くさくて微笑ましい気もしませんか。

脂がのるのは、冬を越すための備えなんです

秋から冬にかけてさばの脂がぐんとのってくるのは、ただの偶然ではありません。サバは秋から冬にかけて、冷たい海水から身を守り、次の産卵に備えるために体にたくさんの脂肪を蓄えるのだそうです。

つまり、あの濃厚な脂は、さばが厳しい冬を生き延びるための準備そのもの。おいしさの裏に、ちゃんと理由があったんですね。

賢い選び方

見るところは3つです。

目

澄んでいて、黒々としているものを選びましょう。濁りや赤みが出ているものは、時間が経っているサインのひとつです。

背中の模様

青く光りながら、波のような黒い模様がくっきり出ているものが元気な証拠とされています。模様がぼやけて見えるものより、はっきりしたものを選んでみてください。

お腹まわり

丸みがあってハリのあるものを。ただし見た目だけで決めつけず、パックの消費期限や保存状態もあわせて確認すると安心です。

おすすめの食べ方

やっぱり味噌煮が一番です。コツはひとつだけ。臭み消しの下処理を、焦らず丁寧に。

さばは霜降りにして表面の汚れやぬめりを洗い流してから煮ると、仕上がりの香りがぐっと変わります。これは味を良くするためだけでなく、しっかり中まで火を通すという意味でも大事な工程です。さばをはじめとする青魚には寄生虫がつくことがあり、食酢での処理や塩漬け、しょうゆやわさびでは死滅しないとされています。味噌煮のようにしっかり加熱して食べれば、その点も安心です。

味噌と生姜でコトコト煮込めば、身はふっくら、脂はとろり。ご飯が進む一皿になりますよ。

数をごまかす言葉の由来になるくらい、昔から人々の暮らしに近かったさば。これから寒くなるにつれて、脂はどんどん濃くなっていきます。今のうちから、少しずつ食卓に迎えてみてはいかがでしょうか。