走りの一粒、秋鮭といっしょに

10月に入って、お店の鮮魚コーナーにも秋鮭といくらが並び始めました。つやつやとした一粒を見ると、やっぱり心が弾みます。
ただ、今年も穏やかな船出とは言えないようです。北海道では秋鮭の来遊数そのものが長期的に減っていて、秋鮭の来遊数は長期的に減少し、いくらや生筋子の価格にも影響が広がっています。ある量販店の筋子の価格を見ても、コストコで「すじこ」と「秋鮭」の販売が9/4から始まっていますものの、去年の価格は100g 1098円だったので今年はだいぶ高いですねという声が出ていました。
旬の中心は北海道で秋鮭の水揚げ量1位である北海道では9月、10月が旬とされていますが、出回り始めたばかりの今はまだ走りの時期。これから粒が充実して脂ものってくる本番を前に、今のうちから少しずつ味わっておくのも良さそうです。

ここだけの豆知識
「いくら」という名前は、ロシア語から来ています
知っていましたか。「いくら」はロシア語の「икра:ikra(イクラ)」が語源で、「魚卵」「粒々したもの」という意味があります。ロシアでは鮭の卵に限らず、魚卵全般を指す言葉だったんです。
ロシアから「いくら」という言葉が入って来たのは大正〜昭和時代といわれていますが、それ以前は、すじこ・いくら両方を「すじこ」と呼んでいたそうです。呼び名ひとつにも、歴史が詰まっているんですね。

いくらの赤色、実は鮭が自分で作った色ではありません
鮭はもともと白身の魚で、魚もグルメでたくさんエサがあるとおいしいものばかり食べるという習性があります。海を回遊するあいだに甲殻類をたくさん食べて、その赤い色素を体に蓄えていきます。
そして体内に蓄積されたアスタキサンチンが産卵期に卵にも蓄積され、イクラが赤くなるのだそうです。つまり、あの美しい色は、鮭が海で過ごした時間そのものということ。なんだかロマンを感じませんか。
賢い選び方
見るところは3つです。
色
鮮やかなオレンジ色が基本です。色やつや、表面の状態をよく見てから触れるのが基本で、色ムラや白っぽい濁りがあるものは避けたほうが安心です。

粒のハリ
プチッとした弾力があるものを選んでください。鮭いくらは、産卵間近の成熟した卵を使うため、皮に張りがありプチッとはじける食感が魅力とされています。だぶついて皮がしわしわのものは、やや熟しすぎかもしれません。
汁の透明度
パック内の汁もチェックポイントです。色やつや、表面の状態をよく見てから触れるのが基本で、濁った液や茶色っぽい汁が出ている場合は注意が必要なんですよ。
おすすめの食べ方
やっぱりいくら丼が一番です。コツはひとつだけ。ご飯は、炊きたての熱々ではなく、少し冷ましてからのせること。
いくらの粒は薄い膜に包まれていますけれど、この膜はたんぱく質でできています。見分け方として、天然のいくらは中の目玉のような部分(胚盤)が固定されているのに対し、人工のものはオイルが浮いた状態で、天然ものはたんぱく質から出来ているので、熱を加えてみると白くにごります。つまり熱々のご飯の上に直接のせると、その熱で膜のたんぱく質が変性して、白っぽく濁ったり食感が硬くなったりしてしまうんです。
ですから、ご飯は人肌くらいまで冷ましてから。たったそれだけで、あのぷちっとした食感がそのまま楽しめます。

まだ出回り始めたばかりの、走りのいくら。値段は気になりますけれど、一粒ずつの輝きを見ると、やっぱり秋が来たなと思います。本番はこれからです、ゆっくり楽しみにしていましょう。