見つけると舞い上がる、その名前の理由

スーパーのきのこ売り場を見ると、まいたけのパックがすこし増えてきたように感じます。
じつはまいたけ、天然のものが山に出るのは9月下旬頃から10月頃の秋なんです。ちょうど今は、まさに出始めの走りの時期。スーパーに並ぶもののほとんどは栽培物で一年中買えますけれど、最も多く売れる時期は晩秋から冬にかけて、鍋の季節なのだそうです。つまり今のまいたけは、これから本番を迎える前の、ちょっとした準備運動のようなもの。これからますますおいしくなっていきますよ。

ここだけの豆知識
「舞い上がるほど嬉しい」から、まいたけ
名前の由来には諸説あって、きのこの姿が「袖をひるがえして舞う姿」に似ていることや、きのこを発見すると、「嬉しくて躍り上がって喜ぶから」という説が伝えられています。
それもそのはず、江戸時代にはまいたけを大名に献上すると、同じ重さの銀を褒美にもらえたという話があるほど希少価値が高かったのだそうです。見つけたら舞い上がってしまう気持ち、なんだかわかる気がしませんか。

まいたけを入れると、茶碗蒸しが固まらない
これは知る人ぞ知る話。マイタケはタンパク質分解酵素を豊富に持っているため、茶碗蒸しが固まるために必須のタンパク質を分解してしまい、茶碗蒸しが固まらなくなってしまいます。
ただし救済策もあって、この酵素は加熱をすると失活してしまうため、茹でたマイタケの中の酵素は、もうタンパク質を分解できない状態になっているのだそうです。つまり、まいたけを一度火にかけてから使えば大丈夫。まいたけ入りの茶碗蒸しを見かけないのは、こういう理由があったんですね。
賢い選び方
見るところは3つです。
かさの色とツヤ
色が濃く、ツヤのあるものを選んでください。全体が均一な色をしているのも良いしるしです。

かさの厚みと張り
カサの部分に厚みがあって、パリッと先端まで張りがあるものが新鮮です。ペラペラと薄いものは味が薄いことが多いです。
表面の湿り気
古くなったものは表面に水分がにじんできます。触ってしっとりしすぎているものは避けて、乾いた感じのものを選んでください。
おすすめの食べ方
天ぷらにするなら、コツは一つ。水で洗わないことです。
まいたけは水で洗ってしまうと栄養や旨味が落ちてしまううえ、天ぷらの場合はもっと困ったことが起こります。水洗いによって舞茸に水分が残るとカラッと揚がらず、べちゃべちゃの仕上がりになってしまうのです。せっかくの香りとサクサク感が台無しになってしまいます。
汚れが気になる部分があれば、濡らしたキッチンペーパーで軽く拭き取る程度で十分。もともと清潔な菌床で育てられているものがほとんどなので、神経質になる必要はありません。石づきの硬いところだけ落として、あとは手で大きめに裂けば下ごしらえは完了です。

出始めのまいたけは、これから香りも旨みものってきます。今のうちに一度、洗わずそのまま天ぷらにして、香りの違いを確かめてみてはいかがでしょうか。舞い上がるほどの美味しさに出会えるかもしれません。