名前も茎も、想像以上に面白い空心菜

九月も半ばになりましたね。暑さのピークは過ぎたけれど、まだ半袖で過ごせる日も多い。そんな今の時期、八百屋さんの店先で見かけるのが空心菜です。
空心菜の旬は6月下旬辺りから9月頃までと言われていて、盛りは7〜8月あたり。ということは、今はちょうど旬の終わりに差しかかる頃合いなんです。名残の時期だからこそ、今のうちに食べておきたい野菜と言えそうです。
私自身、空心菜のことを調べれば調べるほど「そんな理由だったの」と驚かされました。今週は、そんな空心菜のお話です。

ここだけの豆知識
茎が空洞なのは、水を運ぶためなんです
クウシンサイという名前はもともと中国での呼び名で、茎の中が空洞になっている事から付けられたそうです。ただの見た目の特徴ではなくて、この空洞は水を吸い上げるためにあるもので、実際、東南アジアでは空心菜を水辺で栽培することも多いのだとか。
しかも空心菜は、東南アジア原産の、ヒルガオ科、サツマイモ属の植物なんです。あの甘いさつまいもと親戚だったなんて、意外だと思いませんか。

栄養は、ほうれん草に負けていません
空心菜というと「炒め物専門」のイメージがありますが、栄養面でも見どころがあります。β-カロテンを豊富に含むことで知られるほうれん草よりも、空芯菜の方が多くのβ-カロテンを含みます。
さらにカルシウム、ビタミンA・C・E、β-カロテン、葉酸、鉄分、食物繊維、カリウムなど、さまざまな栄養素が含まれています。夏バテしがちなこの時期に、体がうれしい野菜なんですよ。
賢い選び方
見るところは3つです。
葉と茎のハリ
葉と茎にみずみずしい張りがあるものを選んでください。しなびているものは鮮度が落ちているサインです。

葉の色
緑色が鮮やかで、濃いものほど良品です。黄色っぽく変色しているものは避けましょう。
茎の太さ
太すぎるものは育ちすぎて筋張っていることが多く、細すぎるものは水分が少なめ。ちょうど中くらいの太さのものが、食感も味も一番安定しています。
おすすめの食べ方
定番はやっぱりにんにく炒めです。コツはひとつだけ。強火で、短時間で仕上げること。
空心菜の魅力は、あの茎の空洞が生むシャキシャキ感。じっくり火を通してしまうと、この食感が失われてしまいます。強火のフライパンで一気に炒めることで、茎の中の空気を保ったまま、シャキッとした歯ごたえを残せるんです。
それに、炒める際に使う油は、このβ-カロテンの吸収率を高める働きがあるのだそうです。手早く炒めるという同じ動作が、食感も栄養も両方守ってくれる。なんだか得した気分になりますよね。

旬の終わりが近づく空心菜、名残の時期こそ味が乗っていることも多いものです。にんにくの香りと一緒に、強火でさっと。今シーズン最後の一皿を、ぜひ楽しんでみてください。